創薬探索部門

 本部門では、創薬シーズを学内外から広く収集し、それぞれのシーズの特性や研究者のニーズに合ったアッセイ系やスクリーニング系を構築し、化合物のハイスループットスクリーニングによってヒット化合物を取得するまでの一連のプロセスを支援します。さらに、得られたヒット化合物について、それぞれの類縁化合物を入手して構造活性相関や活性濃度依存性を検討します。その結果をふまえて合成展開部門にて最適化合成を行い、目的とする薬理活性の高いリード化合物の取得を目指します。

 標的タンパク質の結晶構造が高解像度で決定されている場合には、合成展開部門と連携しつつ、化合物構造データベースを元に分子動力学とドッキングプログラムを駆使してインシリコスクリーニングを行うことが可能です。その場合、実際の化合物スクリーニング(ウェットスクリーニング)に供する化合物を絞り込むことが可能となります。その結果スクリーニングの規模を抑えられるため、バイオセーフティーレベルの高い感染症シーズやランニングコストの高いスクリーニング系など、大規模なハイスループットスクリーニングを行うことが難しい場合に有効な方法となります。

 本部門および合成展開部門の活動は、日本医療研究開発機構(AMED)創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業によってサポートされています。この事業が運営する創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)において、長崎大学はケミカルシーズ・リード探索ユニット(ライブラリー・スクリーニング領域)に属し、「感染症創薬スクリーニング支援」、「ミトコンドリア機能に着目した化合物評価」、「非RI細胞障害性アッセイシステム」といった支援メニューを提供しています。なお、創薬スクリーニング支援に関しては、感染症に限らず幅広く行っていますので、興味のある方は是非、創薬支援室にお問い合わせ下さい。

 なお、本部門および合成展開部門の活動は、長崎大学第三期中期目標・中期計画における重点研究課題にも採択されており、この課題を通じて、長崎大学の得意とする熱帯医学・感染症、放射線医療科学を中心としたアカデミア創薬の基盤を整備し、長崎大学発の創薬を推し進めていきます。

関連事業

創薬ブースター(創薬総合支援事業)

小守壽文(医歯薬学総合研究科):新規骨形成促進剤の探索
平山謙二(熱帯医学研究所):アカデミア創薬プラットフォームを活用した抗マラリア薬の探索
水田賢志(医歯薬学総合研究科):新規抗インフルエンザ薬の探索
田中義正(先端創薬イノベーションセンター):新規PD-1免疫チェックポイント阻害剤併用療法の開発

肝炎等克服実用化研究事業

田中義正(先端創薬イノベーションセンター:研究分担者):実用化に向けたB型肝炎新規治療薬の探索及び最適化(代表:名古屋市立大学 田中靖人教授)

難治性疾患実用化研究事業

田中義正(先端創薬イノベーションセンター:研究分担者):多発性硬化症における革新的な医薬品等の開発を促進させる研究(代表:国立精神・神経医療研究センター 山村隆部長)

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関連リンク

長崎大学病院臨床研究センター

ながさき治験医療ネットワーク

長崎大学研究開発推進機構

国立大学法人長崎大学
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